- THE JOURNAL

November 24th, 2019

New Mexico〜Arizona〜California 4

今日の朝食は、この町のベストコーヒーショップへ。昔のルート66であるサウスミルトンロードを渡り、三本先の道まで歩いた。モーテルに着いた時には明るかった町もすぐに暗くなったので、日差しを受けて歩くフラッグスタッフの町は気持ちよかった。心地よいサイズ感がそう思わせたのだと思う。それでも次の小路まで100メートル以上はあり、小さくはない。10分程歩いてMACY’Sに着いた。

モーニングサンドウィッチと名付けられたパンはクロワッサンでできていた。野菜の入ったスクランブルエッグが挟んである。ミルクと共にオーダーをした。人気店らしく、朝から次々に入店する人達で店は賑わっている。運よく空いているテーブルで食事をとることができた。味はまあまあと言ったところかな。

外も満席

 

実はこの先、予定も予告もなしに今回の旅の山場の一つを迎える。フラッグスタッフからセリグマンに向かって走っていた時だった。制限速度75マイルの山道が多い地形で気持ちいい下り坂だった。先を急ぐ癖ができていて、運転にも慣れた頃それは訪れた。知らぬ間に後ろにピッタリ着いてくる車を見た時にはもう遅かった。青いランプを回しながら、スピーカーから何か言われている。最初何かわからなかったけど、状況が飲み込めると右に車を寄せた。スピードが出やすい所に、タイミングよく現れたポリスが待ってました!と言わんばかりの顔に見えたのは気のせいだろうか。免許証の提示を求められ、差し出しても国際免許証に慌てる素振りもなく、事務的に書類を書きながら違反金をここに払ってねと、いかにも慣れた手つきで青色の紙を渡された。Williams Justice Courtと書かれてあるから、

ウイリアムズで捕まったと後で知った。フラッグスタッフから約30マイルというセリグマンとの中間にある町なのだが、ここからまた、予定の無い事に煩わされる事になった。それは罰金の支払いだ。次に予定してある町はセリグマンだからそこで支払おうと思っていた。

75マイルのところ88マイル,120キロのところ140キロで走ったという感じ。

 

セリグマンに着いたが、しかし町が小さすぎて払う手段がない。この日はあいにくの土曜日で郵便局もやすみ。という事は明日も休みの可能性があり、月曜日は帰国予定となっている。やばい、払わなかったらどうなるのか?いやどこかで払えないか?空港なら払えるか?いや時間があるか?いろんな事が頭を駆け巡り、焦るだけだった。

ルート66は東西のカルチャーや物流を運んだアメリカという国を発展させる為に重要な役割を果たすことになった道で、1930年代を舞台にしたスタインベックの怒りの葡萄にも登場します。その後個人で車を所有するようになり、人々が移動するとモーテルができ、ドライブスルーが生まれ、ファストフード産業が繁栄する。アメリカの経済の成り立ちを表しているかのようだ。しかし、車の性能が上がれば道路も良くなる。いつしか小さな町々は人々から忘れられて行く、というベースの上にできているのが、ピクサー映画のカーズである。主人公ライトニング・マックィーンが迷い込んだ町がラジエタースプリングス、それがセリグマンといわれている。今は廃れてしまったルート66を町おこしの如くアピールしている。

セリグマンで有名なソフトクリーム屋。

店内は訪れた人々のビジネスカードが。

映画で見た感じ。

ある店の店内。

ルート66保存の功労者エンジェルさんの店。

 

わずか数百メートルにモーテルとギフトショップが数件ある。そのどれもが「ルート66」で生活している。

アメリカの小さな田舎町にあった道路。もっと便利な道路ができたら人々は田舎町を通り過ぎるだけになった。ルート66で栄えた町は、今また違う形で生きている。ひと通り回って次の町キングマンに向かうことにした。

 

キングマンにあるダイナーはルート66の名物店でMr.D’zという。今日はフラッグスタッフを出てから一番アメリカの「古き良き時代」を感じることになる。ジェームズディーンであり、プレスリー、モンローなのだ。ペパーミントグリーンで市松模様、フィフティーズがまだここにある。アメリカにおいて大事なファクターで映画にもよく登場する。バックトゥザフューチャーでマイケルJがタイムスリップした時代も、1955年のフィフティーズど真ん中の年。それを体現させる店Mr.D’zではチーズバーガーをいただいた。アメリカではチーズバーガーを頼むことが多い。日本のラーメンみたいな物と思っていて「ハズス」ことが少ないから。

BSの旅番組で紹介された店。

50年代を誇張した内装。

ハズス事が少ない、はハズス事もあるという事!

店の近所にあるルート66のビジターセンター。

キングマンの象徴的建造物の貯水タンク。

 

キングマンのウォルマートで少額の手数料と切手代と共に、漸く罰金の支払いができた。すっきりしてアリゾナ州からカリフォルニア州に進めそうだ。いよいよゴールも近くなってきたと感じる。気分も変わり今日のメインであるカリフォルニア州ニューベリースプリングスへ。そこには1989年に公開された映画、「バグダッドカフェ」がある。ハリウッド映画全盛の頃、ミニシアターブームの中でもヒットした映画だった。それは主人公ヤスミンがルート66を車でやってくるところから始まる。主題歌を歌うジェヴェッタ・スティールのコーリングユーがこの映画の味を醸し出している。

 

日も傾きかけた頃のルート66、何もない砂漠にポツンとそれはあった。店の前に車を止め店内へ入ると古いジュークボックスが目に入った。意図的にそうしているのか映画のセットのように古い家具が並んでいる。それ以外に目につくものは、お土産のTシャツ、お客が置いて行ったキャップ、ビジネスカード。ビジネスカードは沢山窓や壁に貼られてあった。何もない砂漠の中のたった一つの行き先。それがバグダットカフェだ。同行者がコーヒーを一杯頼み、愛想のいい店員と遠くで何か話している。店員はカフェの仕事ではなく、ツーリストと話す事が仕事になっているようだ。一瞬映画の世界に引き込まれた。ジェヴェッタ・スティールが頭の中で歌っていたような気になった。

バグダッドカフェ、砂漠のオアシス。

ツーリストの足跡。

古いジュークボックスから流れる音楽は ....

トレーラーハウスは大事なツール。

 

余韻を味わいながら影が長くなった頃、バグダッドカフェを後にした。今日はバーストーの宿をとっている。

 

宿に着いた頃には暗くなっていた。バーストーの町は砂漠の中の丘陵にあり、その一番高台にデザートインはあった。今日の移動距離は約366マイル、590キロを走った事になる。一泊30ドルほどの部屋は記録に安さで、記憶に残る汚い部屋だった。この旅の最初に泊まったホテルと二泊目に泊まった部屋はいい部屋だった。三泊目は普通のモーテル。そしてこのモーテルだ。サンタフェ、セドナは安い部屋が無いということもあるが、観光地でそれなりに整っている。昨日止まったモーテルはチエーン店だから味はないが普通に清潔感がある。デザートインはどうやら家族経営のモーテルらしく、家族経営の悪い部分が出ていたようだ。

デザートインは小高い丘の上にある。

写真上は普通に見えます。

紙のようなタオル、ティッシュは箱に入っていません。そして泡の立たない石鹸。

 

気分を変えて今夜のディナーは、この町一番のメキシカ料理屋に。カリフォルニアはメキシコ文化が色濃く出ていて、料理は勿論、地名もメキシカンな名前もある。特に南部の地域には顕著な気がする。

トルティーヤチップス。

メニュー名失念

シュリンプサラダ(多分)

フライドアイスクリーム

 

その他もいただいているがカメラに収まっていませんでした。この町一番のメキシカンは期待値に届きませんでした。明日はロサンゼルス。この旅も終わりを迎えます。

 

New Mexico〜Arizona〜Californiaは次回、最終回につづきます。