- THE JOURNAL

May 15th, 2015

A Town Called Portland 1

ポートランドに行くきっかけは幾つかの要素が重なったからだ。

「ニューヨークで本を買ってきてください。創刊号が日本で手に入らないんですよ」。ある人から頼まれた季刊出版の本はすでに初版から2年になろうとしていた。聞くとなかなか興味が湧いてきて最新刊を買ってみた。深い情報もなく手元に届いたそれをいつものようにパラパラとめくり、写真が綺麗だなとかレイアウトがいいなとか思いながらなんとなく眺めていた。これは一過性のものじゃないと感じながら。しかしそんな季刊出版の本を忘れかけた頃amazonが知らせてくれたオススメの本。それがポートランドを紹介する本だった。

ほとんどの本はニューヨークやロサンゼルスを紹介する本が多く、あったとしても他のエリアはシリーズもののガイドブックばかりが目立つ中に珍しいと思った。自分の中でポートランドは東部ニューイングランド地方のメイン州にある街。L.L.Beanに行った時に降りた街だったはずだ。ところがその街は西海岸を指していた。調べていくうちに知識が増えて季刊出版の本を思い出した。そういえばあれはポートランドで作られた本だった. . . と。ワンクリックで買い物をし、配達された本を読んでいくうちにポートランドにいく事は必然になっていた。届いて数日後にはエアチケットとホテルの手配を済ませていた。モノを買うきっかけは人それぞれだ。知らない話題の街という事がその本を買う一番のきっかけになった。

 

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ここ数年西海岸を意識した文化的な事が日本に広がっている。いろいろなきっかけはあったにせよそれがライフスタイルという名のもと生まれた流行だ。その一つにサードウェーブコーヒーがある。ファーストウェーブは真空パックの開発で大量生産と遠距離流通が可能になり消費が広がった。セカンドウェーブは高品質なコーヒーの提供と深煎りコーヒーが世界的に人気になった。これがスターバックスに代表されるシアトル系のコーヒーでどこの国でも飲めるようになったのは周知のことと思う。そして今サードウェーブである。定義としてはシングルオリジン、浅煎りでコーヒー本来の香りをたのしむ。そしてダイレクトトレードである。その発端がこの街から生まれた。そして堰を切ったようにこの街の文化が脚光をあびる事になる。環境に優しい都市、美食の街、チェーンストアよりローカルな店が愛される街等、その他にもいろいろなタイトルをもっている魅力的な街はまだまだ奥が深そうである。

 

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ポートランド国際空港に着いてまず驚いたのはほとんど階段を使わずにダウンタウンに向かう電車に乗れた事だ。それどころか電車のフォームに着くまでほぼフラットになっている。こんな空港は世界中探してもないかもしれないと思った。勿論行ってない空港の方が世界中にいくつもあるのでわからないが、常識的に考えると「ない」と言いたくなる。空港という建物は立体感がある事が当たり前になっているからだ。ポートランド国際空港も勿論フラットではないが段差が生まれないように工夫されている。車椅子や荷物の多い人にはありがたい構造をしていて、電車に乗れば優先座席の比率が日本では比べものにならないくらい広く使いやすい構造になっている。この辺が環境に優しいという事なのだと思う。(そういえば初めてLAに行った時、スーパーの駐車場で出入口の一番近い所にハンディキャップ用の止める場所があった。その意味がわからなかったが後に日本でもそれは一般的になった事を思い出した)これから日本もそうなるのだと確信した。街中もいたるところに段差や手摺など街の外観を損ねる事なく綺麗に作られている。

便利なのに美しい。矛盾との戦いは我々ファッションを扱う者達にとって永遠の課題だ。

 

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A Town Called Portlandは次回につづきます。