- EDITOR’S PICS

April 17th, 2017

IN THE BAGGAGE

海外出張のメインは、ブランドのショールームでのバイイングと、トレードショーと言われる合同見本市でのバイイング。トレードショーでは、既存で展開しているブランドを発注するという仕事と新しいブランドを探すことが仕事。この「新しい」がバイヤーにとってはキモの仕事で、楽しくもあり、生み出す苦しさを感じる仕事でもあります。ここまでファッション感が成熟してくると、なかなか新しいものって探すのが難しいし、かといって飛び道具みたいなものが良い訳でもないし、昔あったようなものがサイクルの中でまた新しく感じる時もあり、考え出すと迷宮入り。一回迷宮に入って散々考えて出口が見える頃には、「どう感じたか」を大事にしよう、という答えに毎回なるのですが、儀式のようにまた今回も迷宮入り。トレードショーを回っていていつも感じるのは、何か気になる、不思議だな、変、と少し気になるけれど良い印象で見ていなかったものが、時間が経過するうちに、じわじわとポジティブに変換されていく不思議さ。逆に、売れそうだな、と思ったものの方が印象が薄らいでいく。心に何かフックがかかったものに最終的に軍配があがるのです。洋服選びもそうではありませんか?いらない、着ない、と思ったものが、じわじわとよく思えてきたり、お気に入りに昇格しているようなこと。予定通り、いつもの私らしい、だけでは発見がなくて面白くないし変わらない。変だからいらない、と決めつけ屋の私がバイヤーを何年もやって感じるのは、「変」は普通になるということ。普通というか、馴染む板につくなのかもしれません。「変」は「新しい」。変を排除せずに、変と思った心に刻まれた感情を大切に、柔軟にファッションに向き合たい、向き合っていただきたいなと思います。