- EDITOR’S PICS

February 29th, 2016

IN THE BAGGAGE

ファッションって面白い。 ニューヨークのバイイング出張から帰ってきて、心から素直にそう感じています。バイイングは半年後の未来を想像する仕事。常に半年後の構成やコーディネイトの事などなどで、頭の中いっぱいな状況は続きます。そして、あくまでもビジネスなので、「素敵」だけではなくて「売れる」というミッションは絶対なので、海外でショールームやトレードショーを回っている間も、頭の中はずっと「何か」を考えています。ビジネスが先行して考えが偏る事もときにはあって、何かのきっかけで、はっと気がつく事も。この旅でも、考えが片側に振り切ったときに逆側に振られるような場面が何かあり、右往左往して今は文頭のように、素直にファッションの面白さを痛感しています。

KELLYで長く取り扱いをしているあるブランドの展示会。そこはランウェイをやるようなブランドですが、デザイナーが自ら接客をしてくれる稀有なブランド。必ずデザイナーも営業もハグで迎えてくれるそのブランドは、KELLYが考えている事に重なる部分も多く、デザイナーの考え方にリスペクトしているブランドです。でも長く続けているだけに、テーマが合わない時も、日本人には着こなしにくいデザインやカラーの時ももちろんあって、何度もそういったシーズンに出くわしてきました。でも、私たちが買いにくいときもそのクリエイティビティには本当に驚かされてきました。今回も素晴らしいコレクションで、着にくいものもいつものようにあるのでどれでも買えるわけではないけれど、そのデザイナーらしい新しいアイディアがたくさん込められた大変素敵なコレクションでした。展示会の帰り、そのブランドに関係している日本人の方との会話の中で「彼女のクリエイティビティは本当にすごいんで」という言葉が。そうだよな、私はただの工業製品を売っているわけではない。クリエイティブを売っている。当たり前のことを今更気がつき、なぜそれを時々置き去りにしてしまう自分がいるのだろうと考えてしまう。クリエイティビティを伝える、これが私の普遍のテーマ。忘れ物を取りにいったような旅でした。