- EDITOR’S PICS

February 22nd, 2016

#NEW EDITION

ファッション業界で「普通」とされてきたことが変化しています。今月行われたBURBERRYのランウェイショーでは、今見た洋服がすぐに買えるという、消費者へオンシーズンのアプローチしていく新しいかたちをスタートさせたというニュースが飛び込んできました。それに引き続き、TOM FORDの秋冬のランウェイショーは通常2月開催のところを9月に延期し、消費者重視の新しい形態でオンシーズンの洋服を提案していくというニュースが入ってきました。そしてKELLYとA.SMITHで展開しているRAG&BONEも、ウィメンズとメンズのランウェイを今回久しぶりに一緒に行い、ランウェイの盛り上がりをすぐファッションにとり入れられるように、ショップで今展開しているものをコーディネイトに使っています。

ファッションの「価値観」や「当たり前だったこと」は大きく変化してきています。半年後の未来をイメージしてときめきたい。それは確かにその通りでしたし、今もそうだと思っています。ただちょっとこの猛烈スピードの情報化社会のなかで、半年待つというのも時代に合わなくなってきているかも??というのもなんとなく皆が感じてきている事実。そしてランウェイ発表と同時に、ファストファッションにデザインが引用されて、半年後の本物が入荷する頃には市場が勝手に1シーズン前のデザインのレッテルを張ってしまうという現象も、受け入れざるを得ない市場の循環。そんなことならクリエイティビティを守るためにも、今ランウェイで見たものがすぐ買えるというのは、新しい一つの考え方のように思います。全て右に倣えではなく、今ブランドがどのように考えているかということを新しい行動に起こすことが、ファッションの世界では大切になってきています。ブランドの独自の価値観に私たちが賛同できるか否か。それが表現に対しての支持として、結果的に製品を買っていただけることに繋がるのではないでしょうか?当たり前だったことが、どんどん当たり前じゃなくなっていく世の中。BUY NOW WEAR NOW。この出来事は、これからもっと波紋を呼んでいきそうです。

「考え方」といえば、この春ご紹介するCRISTASEYA(クリスタセヤ)は新しいファッションビジネスのあり方を私に提示してくれたブランド。CRISTASEYAは、エディターやプレスなどファッションの世界での経験が豊富なイタリア人と日本人の女性デュオがつくりだすパリのブランドです。ブランドがスタートしたシーズンは、EDITION #01。そしてEDITION #02、EDITION #03とコレクションが増えていき、今シーズンKELLYでご紹介するのは、EDITION #06。それぞれのEDITIONをなくさずに、過去のコレクションからもバイイングができるのが、CRISTASEYAの最大の特徴です。他人が語ったベーシックをベーシックと言わずに、自分たちの世界観の中でベーシック成り得ると信じたものをストックするように増やしていくスタイル。今までに出会ったブランドにはなかった新しい考え方と表現です。今シーズンのCRISTASEYAテーマは、アフリカ。サファリスタイルを現代的な解釈で表現し、カーキとサンドベージュのナチュラルな世界をつくり出します。

市場の傾向や動向を気にするファッションビジネス。ファッションとは感性のものですし主張することですが、バイイングや販売をしているとそんな受け身な言葉が日常に蔓延していることに気がつくことがあります。オリジナルの考え方と主張。今後、ブランドやショップのあり方は以前より強く思想重視になっていきそうです。