- EDITOR’S PICS

October 5th, 2015

ニットと私

肌寒さを感じてくると「新しいニット」が無性に欲しくなります。ずばり寒いもあるけれど、本能的にふんわりとした暖かいものに包まれたくなる、秋冬に現れる独特の感覚。この気持ちが湧いてくると、秋の訪れを実感します。

KELLYで時間をかけて集めてきた、私の「いいニット」コレクションは大切な財産。そのお気に入りを大切にすることも大事にしているですが、洋服を楽しむ醍醐味には、真っさらな新品に袖を通すという、瞬間的な楽しみもあると思います。新品をおろした初日は今までと違う自分に出会ったような、ちょっとウキウキとする感じが味わえて、密かにいい気分。それいいね!と誰かが言ってくれたりすることも少し期待して。長く愛する、という長距離走の感情へ突入する前の、たった一度だけの「初めて着る」は、何物にも代え難い嬉しさと高揚感があります。

KELLYは、その歴史の中で「いいニット」を常に注目し、たくさんのブランドを展開してきました。KELLYのニットコレクションのスタンダードとなっているDEMYLEE。すでにご愛用の方もたくさんいらっしゃると思います。いいニットブランドといえば?の問いかけに、必ず名前の上がるブランドとしてどんどんマーケットを広げ、メジャーのステージへ駆け上っています。

誰もがその名前を知るようなビッグブランドは、そうそうデザイナーに会うということがありませんが、コンテンポラリーブランドはセールスの場面にデザイナーが同席することもあり、バイヤーとの距離感が密接。デザイナーにお会いしてみると、やはりこの人にしてこの作品ありと感じることが多くあります。DEMYLEEは、Demyらしさがそのまま作品となっているブランド。わたしの上司は、Demy夫妻とは旧知の仲で、展示会以外にも何度かお食事の席に同席させていただいたのですが、Demyが醸し出す空気は作品そのもの。聡明な雰囲気の女性です。ボーイッシュなスタイリングを表現しても、決してだらしない印象にならないのは彼女自身から生まれるものだと思います。それはブランドのスタート時から変わらない一貫した彼女の作品の印象です。彼女には幼いお嬢さん達がいるのですが、デザイナーの娘さんだけあり着るものにかなりのこだわりをもっていて、毎日のスタイリング決めでバトルが繰り広げられるという話を先月のバイイングの時に伺って、デザイナーの日常光景に親近感が今まで以上に湧いてしまいました。

2015秋冬のDEMYLEEのテーマは「ART OF SIMPLICITY」。80年代後半の、ミニマルで構築的なデザイナーズファッション全盛期のユニフォームのようなスタイルがインスピレーション。アンバランスなアイテムを合わせることでの、新しい着こなしを表現しています。

Demyらしいニットは、袖を通して「私」らしいニットに変わっていきます。この秋も、皆さまの「いいニット」を見つけてください。

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