- EDITOR’S PICS

May 18th, 2015

It’s Gold standard

「ヴェロニクの新作はまだ?」
お客さまのこんな問いには、なんともうれしい感慨がある。
ドリスヴァンノッテンやランバン、バレンシアガという「盤石」でなく、ヴェロニク・ルロワという未だ発展途上のブランドを指名してくださる声には、ああ、このブランドの提案を続けてきた甲斐があったな・・・と、こころから思う。

いまこれをお読みのかたで「ヴェロニクってなに?」というかたもいらっしゃると思うから少し説明すると、ヴェロニク・ルロワとは、パリを拠点とするモードなデザイナーズコレクションのことで、日本ではメディアの露出もほぼないし、まさに知る人ぞ知る存在だ。前述のグランメゾンに比べて規模はうんと小さいけれど、ものづくりは本当に素晴らしいと思う。ファブリックの使いかたにオリジナルがあって、特に、スタイリングのキモ、センスのキモとなる“ボトム”の美しいニュアンスは、ぜひとも皆様に一度はおためしいただきたいと思っている。

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以前どこかに、「シンプルにも様々な表現法がある。」と書いたことがあるけれど、ヴェロニク・ルロワの服は、まさにそれがドンズバな気がする。かのじょの服は一見、素っ気ないくらいにシンプル。そうかと思えば、あたまに「?」マークがたくさん浮かんでしまうようなフューチャリスティック(過ぎる)ものもあったりする。しかし身につけてみると、それらは必ず「リアルクローズ」に帰着するのだ。

そう、「リアル」。これにも様々な表現があって、ただシンプル、ただベーシック、ただノームコア、がリアルクローズではないことに、かのじょのクリエイションは気づかせてくれる。今シーズン猛威をふるっている“ナチュラル”インフルエンスとヴェロニクの服は、まったく遠いところに在る。
様々なファッションのジャンルを経験してきたおとなのおんなが本当に“リラックス”できる服は、単なるナチュラルに留まらないでしょう___服をとおして、かのじょはそんなふうに語りかけてくる。と同時に私たちは、“パリモード”の存在意義に、ハッとさせられるのだ。

男性が造る女性のための服でなく、おんながおんなのために造る「リアル」って、こういうことなのね。
そう気づいたスタイリッシュなおとなたちが、これからも増えてくれるとうれしい。
そうしてかのじょたちが口にするのは、きっとこのことば。

「ヴェロニクの新作はまだ?」