KELLY

BYKELLY VOICE
IN THE BAGGAGE

IN THE BAGGAGE vol.20


KELLYで長く取り扱いを続けているあるブランドへ、この2月に訪ねた際のことです。

ラックにかけられた次の秋冬のコレクションをざっとピックアップ。
一つ一つフィッティングしシルエットを確認していきます。
そのコレクションのロングベストを羽織って、
付属のベルトをギュッとしめた私に、デザイナーがさっと近づいて、
ベルトを少しだけ緩めて締め直してくれました。
この微妙な差のこだわりに、デザイナーの美学を感じた瞬間。
ベルトを締める、ということでは変わらないことなのですが、
「こう見せたい。」という強い意思がなければしない行為です。
あたりまえのことですが
デザイナーって、こう着てほしいというイメージが
強くあるんだなと思わされました。

その彼女はソフトな外見ですが、隙のないストイックな印象の方。
頑固さがにじみでてると言っていいかも。
「私のブランドはそれなりに高いわよね。
でも少しずつ集めていけばいいし、それをうまく合わせていける。
そして必ず残っていく愛着の湧く服だと思うの。」
何年も彼女のコレクションを見続けていますが、
一貫した考え方が洋服に投影されています。
時代の瞬間を切りとっていく仕事だけれど、
その反面で残っていく価値あるものをつくろうとしている。
常にぶれのない考え方に本当に感心させられてしまいます。

ぶれのない考え方、強い意志。
こう表現したいを貫くことはとても大事なこと、でもすごく難しい!
自己満足ではいけないし。
皆様に喜んで頂けなければもっとよくないし。

原点への回帰と唱って始まったKELLYのこの春夏シーズン。
そこに向かってみると、何かもっと奥深いものがまたもや見えてきました。
このテーマは、シーズンで語り終えることではなくて、
バイヤーが常に向きあう合う事なのでしょうね。

回帰の旅は始まったばかりでまだまだ続きます。
よりKELLYらしい、KELLYの秋のラインナップ。
皆様お楽しみに!

IN THE BAGGAGE vol.19

春到来。
新しいシーズンはいつも心が躍るものです。
春の商品が続々とKELLYに届いているこの時期は、
去年の9月、海外でオーダーしたアイテムとの再会に感慨も一塩。
特にサンプルのデザインを見て素材を選びオーダーしたものは、
頭の中でイメージしていたものが、
ようやく実際のかたちとなって見ることが出来て更にうれしいものです。
でも、それにひたっていてはいけないのがバイヤーです。
今は秋冬のオーダーに向けて全力をそそがなくてはいけない。
頭の中でシーズンがクロスする、いろんなわくわくが慌ただしく交錯する時なのです。

今シーズンのKELLYは、いつもに増して新しいブランドが充実したシーズン!
その新しいブランドとの出合いかたは様々です。
私から、デザイナーとコンタクトをとって訪ねたり。
いつも行っているショールームのラインナップに新しく加わっていたり。
たまたま訪ねた店でみつけて、即現地でデザイナーとコンタクトをとって訪ねたり。
ブランドひとつひとつにオーダーまでに至ったストーリーがあります。

先週、NEWブランドDEEPA GURNANIのヘッドバンドが届きました!
包みを開けると、商品と一緒にデザイナーから直々の手紙が同封してありました。
梱包を解くときはいつも、"モノの売買"というだけではない喜びを感じます。
そして、つくりてのおもいを皆様にきちんと伝えて
つなげていかなくてはと、背筋が正される瞬間です。
それぞれのブランドのストーリーと、デザイナーと私たちのおもいは、
KELLYの店頭と、KELLY VOICEで随時お伝えしていきますね。

KELLYの春のラインナップをぜひお楽しみに!

IN THE BAGGAGE vol.18

KELLYのディスプレイ。皆さん、もうご覧けましたでしょうか?
店内に、鳩が羽ばたいてから、数日。
じーっと、見てらっしゃる方。
「これなんですか?」と話しかけてこられる方。
お客さまの反応は様々です。

ディスプレイといえば…。
今回お話させて頂くのは、一昨年に待望の日本上陸を果たして( 実は再上陸ですが。)
話題となったKIHEL’Sの、ニューヨーク イーストヴィレッジの本店のお話。
KIHEL’Sは、先月からKELLYで取り扱いをスタートした
MALIN+GOETZのマシューマリンが従事していた、スキンケアブランド。
このヒップなエリアで、KIHEL’Sは老舗として150年以上存在しています。
1851年に、イーストヴィレッジでアポセカリー(調剤薬局)としてスタートした、
ナチュラルなスキンケアブランドのパイオニア。
まさにアメリカンスタンダードなのです。

KIHEL’Sに行ってみると、おおっ!
ハーレーダビッドソンに、ロイ リキテンシュタイン風のポスター。
バイクとポップアート????。
「老舗」「ナチュラルスキンケア」のKIHEL’Sのイメージにはない、
意外なウィンドウディスプレイに、最初はびっくり。
オーセンティックでシンプルなブランドイメージのKIHEL’Sに、
皆さんもこのハードでポップなイメージはないですよね。
後で知ったのですが、バイクはどうやらオーナーの私物のようです。

アメリカの象徴である、ハーレーダビッドソンとポップアート、そして、KIHEL’S。
自分たちを堂々と、「象徴」と誇っているこのディスプレイに、感心してしまいました。

ニューヨークでの楽しみの一つは、
老舗デパートのバーグドルフグッドマンをはじめ、
コンセプトをもうけて飾られる、ウィンドウなど身近に存在するアート。
それぞれのウィンドウに、ショップやカンパニーの主張が見えてきますし、
歩いている人をも、楽しませようとするエンターテイメントの心を感じます。
商品を買う買わないとは別の、何か感じさせようと考える姿勢に共感してしまいます。

ファッションも自己表現なので、自分自身で楽しむだけでなく、
まわりの方の目を、楽しませ感じさせるおしゃれが出来たらいいですよね。
そのお手伝いをKELLYが出来たらと思います。
特にお出かけの多いシーズンですし。

では、KELLYの新しい表現をぜひ見にいらしてくださいね。
お待ちしてます!

IN THE BAGGAGE vol.17

待てどもバゲッジクレームから出てこない、スーツケースをあきらめ、
なれない手続きを終え、空港を後にしホテルのあるマンハッタンへ。

数時間前、トランジットするエアポート内をダッシュで走り、
搭乗時刻ぎりぎりで間に合い、あとはニューヨークへ体を運んでもらうだけ!
と思ったら、本当に体だけが着いてしまいました。
(以前も書いたのですが、入国審査に大変時間がかかって
トランジットの時間がなくなってしまうのです。)

今日の夜中にスーツケースが届かなければ、
明日は機内用のリラックスウェアに、ノーメイクだな・・・。
ポジティブに考えれば、明日から始まるトレードショーに
体が間に合っただけ良しとしようと自分に言い聞かせ、就寝です。

またもやハプニングのスタートとなったバイイングの旅。

そのバイイングの旅で気になったこと。
行く先々のカフェやレストランで、なにかと行列に遭遇することです。

何事にも貪欲な私たちは、仕事の合間の短い食事を
いかにして満足のいくものを食べるか、
スケジュールのルート上に、どうやってロスなく組み込めるか必死です。
そこで今回、白羽の矢が立ったのが超有名ハンバーガーショップ。
なんと公園の中にあるんです。

本日のアポイントのルートに組み込めるぞ!
着いてみると、「長蛇の」と言う表現だけではもの足りない行列。
たしかに人気店だし観光客もいるのでしょうけど、この列すごいですよね。
ちなみに木でよく見えないのですが、右端がショップです。

この店以外にも、アメリカ人ってこんなに行列が好きでしたっけ?と思うほどに、
歩いていると、隣にはすぐに座れるガラガラのお店があるのに
人気のカフェやレストランには長蛇の列。
たしかにおいしいのでしょうけれど、
そこまで露骨じゃなくてもなー、と思うほどに極端な光景です。

この光景は少し、ざわっとするものを感じます。

好きな人と、おいしいもので、充実した時間を過ごしたい。
今まで以上に、満足度の高さの要求が高まっているのではないでしょうか。
エコノミーが、消費の心理に影響しているのもあるでしょうし、
何か身の引き締まる思いがします。

聞けば、その食べれなかった有名ハンバーガーショップは
フィリングにオリジナリティがあるとのこと。
なるほど。
どこでも食べれるハンバーガーなのに、ここにしかない何かがあったのですね。

オリジナリティと満足感が大切。
お洋服を仕入れてご紹介している私たちも同じ。
背筋を正さなければです。

*あきらめた私たちのランチ。
 どうしてもハンバーガーが食べたくて、近くのハンバーガーショップへ行きました。
 長蛇の行列バーガーがご紹介出来なくて、残念です。

 

IN THE BAGGAGE vol.16

秋の到来です!まだ夏が来てない、と言われてしまいそうですが。
しかし、KELLYの秋は深まり始めました。
KELLYの店頭に、並びたてほやほやの秋物たちは
今年の1月から手塩にかけて育てたおすすめアイテムばかり。
これから、随時KELLY VOICEにてご紹介しますので、お楽しみに!

1月に展示会で見たものが、7月に店頭に並ぶように
私達、仕入れ部隊の仕事は、シーズンの半年前に始まります。
まさに今、来年の春の仕入れが始まり、構想の真っただ中。
9月の海外出張に向けての準備にいそしむ毎日です。

その海外出張の際、密かに私が楽しんでいることがあります。
海外在住者気分を味わう事。
私の中では、ネイティブのバイヤー気分で仕事をさせてもらっています。
朝がきて、仕事へ。
緊張と高揚の繰り返しは、ここで生活をしているかのような錯覚を味わえます。
観光の旅では絶対に味わえない感覚です。

朝起きてホテルを出て、近くのデリへ向かい、
出来たてのサラダなどを何種かとコーヒーをピックアップ。
ある日は、少し歩いてドーナツスタンドで、ドーナツとコーヒーを買うことも。
歩きながらコーヒーを飲む、たかがそんなことも、
ここに住んでいるような気分にさせてくれます。
そして、仕事へ。
地図と地下鉄マップを駆使して、地下鉄を乗り継ぎ
ショールームからショールームへと巡ります。
よほどの事がない限りタクシーに乗ることがない私達の足は、
もっぱら地下鉄とバスです。
日本人のバイヤーでそんな動き方する方達あまりいませんよー!
現地に住んでいる、日本人の方に相当驚かれます。
地下鉄もバスも乗れるメトロカードを
最大限に活用している旅人なのでは?と思う事も。
点ではなくて、プロセスを楽しむことを重んじている私達は、
街を感じることも仕事のひとつなのです。

モノとして、ただ買い物にいくというバイイングではなく
そこに根付いている文化やライフスタイルまで吸収して、
表現することが、KELLYの独特な品揃えに繋がっています。

いろんな人になってみたい。考えるのは私だけではないはず。
このシンプルな探究心は、洋服を買ったり、旅に出たり、映画を見たり。
新しい事への挑戦の原動力になるのです。

こんな人になって欲しい、あんな人になって欲しいと、
仕入れたKELLYの秋物たち、ぜひ見に入らして下さいね。

IN THE BAGGAGE vol.15

「アメリカどうでしたか?」
2月の海外出張から帰ってきて、まず第一声に聞かれる質問。
ファッションの話はもちろんですが、
聞いてこられる方の気にしているのは経済のことです。
確かにアメリカ最大規模のウィメンズのトレードショーでも
若干、出展数が縮小された感じもありますし、
「何が流行ってるって、もちろんオバマTシャツでしょ!」
ちょっとがっかりのような、でも納得!の現地の方のご意見もあり。
今までのような、あれもこれもな洋服バブルの流れはなくなってきている様子です。
ファッションもビジネスです。経済を司る一端。
高い安いということではなく、価値あるものだけが存在を許される世の中になり
この経済環境の中で、ふるいにかけられ淘汰され始めています。
その一方、大きな強い風に飛ばされないよう
今こそしっかりとした作品を世に送りだし、
ブランドの力を強めようとしているパワーも感じます。

経済の変化も感じた事ですが、
今回の旅で改めて考えた事は、コミュニケーションの差について。

唐突ですが、皆さん「ハグ」ってどう思いますか?
私にはいまいち慣れない、日本人のメンタルにはない外国のコミュニケーション。
好奇心はあるくせに臆病者の私は、外国の文化として憧れているのに、
したいと思っても気が引けてしまう異習慣です。
ハグ以外にも、驚いた経験のある習慣が
「ブレッシュー!」と聞こえる、God bless you!(あなたに神のご加護を。)
初めての海外出張の際あるショールームで、くしゃみをした際に言われ
私はなんのことかさっぱりわからずに、無反応のままでいると
「Thank you!って言わないとだめだよ。」
あれっ、そういえば声をかけてくれた彼女もなんとなく気まずそう。
それから気が付くと、道でくしゃみをしてもすれ違いざまに声を掛けられる。
ああ、宗教の違いかあ、日本にはない面白い習慣があるものだなと思ったものです。
知ってしまった後は、面倒くさいなと、
無理にくしゃみを我慢してしまう、あまのじゃくな私がいるのですが。
ふっと目が合ったときに、口角をあげ「ニッ!」っと微笑む習慣も日本にはないですよね。
奥ゆかしさが美徳の日本に対して、ハグにせよ、ブレッシューにせよ、
他人に一歩踏み込むことが、海外で普通に行われている習慣・コミュニケーション
なのです。

今回、ボスが不在の一人出張の心細さと仕事のプレッシャーの中で
A- DETACHERのモニカから、 
STEVEN ALAN SHOWROOMのクリスから、
JEFFREYのいつも私達を覚えていて迎えてくれる黒人の彼から、してもらったハグは
ほっとしたような温かい気持ちを与えてくれました。
そして、ファッションが好きで、外国への憧れからエースミスに入社した私ですから、
ネイティブのコミュニケーションに馴染めた自分が嬉しい。
足を一歩踏み込み、ハグし合うって
ネイティブと簡単にコミュニケーションをとれるありがたいツールだわ!
と考えられるようになりました。本当に今更ですが。

これから海外に出られる方へ、
目と目が合ったら、「ニッ!」と笑って
クシャミ、「ブレッシュー!」の後は「Thank you!」と答え、
ハグの際には、こちらから歩み寄ってみて下さい。
あなたのインターナショナルレベルがぐっと広がります!

ここは日本なのでハグはちょっと出来ないのですが、
外国かぶれの私達は、「ハグ」の気持ちで皆様をお迎えしております!

IN THE BAGGAGE vol.14

緊張の連続の中行われる、海外でのバイイング。
一日数件ものショールームアポイントをこなす合間の食事の時間は
ほっと休まる瞬間のように見えて実は真剣になってしまう瞬間。
滞在中の一日三食×数日間分、私達に許された食事の機会はわずか。
ハードに仕事をこなしていく私達にとって貴重なイベントなのです。
世界を凝縮した、食べることでも移民の国を実感させられるこの街では
食事においてもグローバルです。

エスニックの枠を越えて、もはやスタンダードになっているチャイナフード。
今回はチャイナタウンを横断、ディープなチャイナタウンを満喫しました。
町並みや喧噪がこれから始まる飲茶の気分を盛り上げてくれます。
飲茶といえば、麒麟金閣 GOLDEN UNICORN。
ここがどこなのか、現代なのか過去なのかわからなくなるような
無国籍でノスタルジックな感覚に浸れます。

現地のかたに紹介してもらったこちらは、MARY’S FISH CAMP。
びっくり、なんとロブスターロール!
ロールパンが見えないくらい、一人前一尾のロブスターが乗ったサンドウィッチです。
ニューヨークはオイスターやクラムに代表されるようにシーフードがとても有名。
口から溢れんばかりのロブスターをほおばりながら、
いったい時価とはいかほどなのか、ドキドキしながら頂くのも旅ならではの一興でした。

高感度の小さなショップやカフェが立ち並ぶ街のコーナーに
常に行列がやむことがないメキシカンカフェがCAFÉ HABANAです。
KELLYでおなじみのブランド、A-DETACHERのショップがあるのもこのノリータ。
CAFÉ HABANAのメニューをto goできる
(日本でいうところのテイクアウトはアメリカではto goです。)
隣接するHABANA TO GOは時間のない私達に嬉しいお店です。
ここの名物焼きトウモロコシ。
日本のものよりも小粒で甘みのあるトウモロコシに
粉チーズとパプリカをかけただけのシンプルな料理ですがやみつきになる味です。
 
探求心はバイイングの仕事に不可欠。
食べることも同じ、探求心と好奇心旺盛な私達は、まず食べてみる。
洋服だけでなく、何事にも探究心のアンテナを
張り巡らせていることがKELLYらしさにつながります。
仕事も、食べることも、いつ何時も真剣勝負。それがKELLYなのです。

IN THE BAGGAGE vol.13

KELLYの歴史は、開拓の歴史。
まだ無名のブランドを発掘してきては、メジャーに育てる。
いまでこそ著名になったジーンズブランドやバッグブランドなど
KELLYが取り扱った後に爆発的なブームになったブランドは数しれません。
0をかたちにすること、この難しさに挑戦してきたことが
KELLYの23年の歴史に繋がっているのです。

先駆者でありたいと考えるのはファッションを生業にするものなら誰しも考えること。
ファッションの陰もないような場所に店をつくり
街をつくりだすムーブメントはニューヨークの街でまだまだ続いています。
ムーブメントで著名なところではなんといってもJEFFREY。
ミートパッキングディストリクトと呼ばれる精肉工場が密集し
夜は娼婦が出没する猥雑で危険とされるファッションとは無縁のエリアに
世界的なコレクションブランドを取り扱うショップとしてスタートし
当時一代センセーショナルを巻き起こしました。
JEFFREYがスタートした後
ホテルガンズボートなどデザイナーズホテルやレストラン
ステラマッカートニーやダイアンフォンファステンバーグ
アレキサンダーマックイーンなどの
コレクションブランドのショップが立ち並ぶファッションエリアへと
一躍変貌を遂げたのです。

KELLYの人気ブランド、RAG&BONEのショールームもこのエリアに移転してきたばかり。
ブランドの成長とともにオフィスを移転し
人気絶頂の今ミートパッキングにオフィスをかまえたのです。
デザイナーのマーカスがベビーカーをひいて歩く姿を見かけたので
住まいもこのエリアのよう。
デザイナーが仕事をし住まいとしても選びたくなるような
ステイタスと感度を感じれる街となったのです。

ミートパッキングがスタンダードになった今、他のエリアに動きがでてきています。
ギャラリーが立ち並ぶチェルシーに突然表れた
コムデギャルソンとバレンシアガのショップ!
何もないところに一石を投じる。
先駆者の称号は先駆者にしか与えられないのです。

0をかたちにすることをくり返しKELLYの歴史は続いてゆくのです。


IN THE BAGGAGE vol.12

KELLYの品揃えの核になっているのが海外でのオーダー。
この一大イベントは2月と9月に行われ、
2月には翌秋冬のオーダー、9月には翌春夏のオーダーと
半年前に、半年後皆さんにお伝えしたいスペシャルなアイテムを集めてきているのです。
自らデザイナーとコンタクトをとりアポイントをいれ
現地ではまるでニューヨークの在住人かのように
メトロカードのメリットを最大限に活用し
地下鉄とバス、足を駆使しショールームを何十件も巡ります。

9月の某日、今年もまた来春のオーダーの為ニューヨークへと旅立ちました。

エアトラフィックの為、出発時間を大幅に遅れた飛行機の機内から撮った一枚。
乗り継ぎ便に乗れなかった過去の苦い経験を繰り返さないために
今日こそはと駆け足で入国審査へ。
審査を終えた私達に待っていたのは、渋滞の為に飛ばない乗り継ぎ便の三時間の待ち時間。
予定通りにいったら苦労しない。
でも予期せぬアクシデントのおかげで
こんな素晴らしい日没を見ることが出来たのです。

新しいファッショナブルなエリアとして話題のブルックリンを訪れた際の写真です。
前日「案内しますよ!」と言ってくれた方が待ち合わせに大幅に遅れるという
アクシデントから、遅れてスタートした一日。
どうなることやらと思いつつ、夕方イーストリバー沿いの公園を案内され
目前に広がるのは、いつもは見上げている摩天楼!
マンハッタン内だけのリサーチで終わっていたら
こんな素晴らしいマンハッタンの風景を見ることは出来ませんでした。
朝の件はこれで一気に相殺。この偶然にも感謝です。

旅はハプニングの連続。
しかしマイナスがプラスに転じる面白さがそこにあります。
そんな予期せぬ事態に身を任せてみることで新しい発見に繋がるのです。
バイヤーの経験、視野や価値観の広がりは
実際には形に残らないし、直接的には商品に影響が見えない。
ですが何かしらのかたちでKELLYの洋服に注がれ
ただの服から、ストーリーのあるKELLYの服へと変化しているはず。

マンハッタンの外に出たKELLY、勢力拡大中です。

IN THE BAGGAGE vol.12


早朝の五番街ブラックドレスにサングラスの女性が
コーヒーとパンを片手に宝飾店の前に佇む。
あまりにも有名すぎる映画の冒頭の1シーン。
「ティファニーで朝食を」
このブログをご覧の方で見たことのない方はいないのではないかと
思うほどに有名なオードーリーヘップバーンの代表作の一つです。
ジバンシーのリトルブラックドレス、連なるパールのネックレス
アップにしたヘアスタイル
そのスタイルの一つ一つ全てがスタイリッシュで子供心に鮮烈だったのを覚えています。
当時の私には見えてなかったことが
この映画をまた見直すことで新たに気が付かされました。

カーストアイアン様式のアパートメント。
住居に多く見られニューヨークになじみ深い風景として存在しています。
外付けの階段が何よりも特徴のこの建築様式は19世紀イギリスから伝わり
歴史的な保存建築として守られ、現在も塗り替えを重ねながら街に生き続けています。
オードリーが扮するホリーが住んでいたのもこの様式のアパートメントです。
外付けの階段を上がることで上階のポールと親密になるきっかけになり
窓辺でギターを弾くシーンの脇役としても存在感を発揮しているのではないでしょうか。
この物語はこの街でなければ起こりえなかった出会いの物語だったのです。

そしてあのティファニーで朝食をとる憧れの名シーン。
表面的なものしかわからなかった子供の私にはただお洒落な映像に見えていましたが
今見ると着飾ったその姿にデリや屋台の数¢のコーヒーとパンの朝食はあまりにもちぐはぐ
光と陰のコントラスト、ホリーの人格や生き様の表現をしていたのだと
大人になりようやく作品の奥に隠された事柄や悲哀がわかったような気がしました。
洋服には生き様まで表現ができる力を持っていたのです。

時を経過し経験を重ねることで同じものでも新たな発見を見いだせる。
経験とは解釈の幅や深さを与えてくれます。
洋服も同じ
価値ある洋服の深さは時が経ってまた新しい解釈を生み出します。
時が経っても新しいが解釈できる洋服をいつもご紹介していたいと思っております。

IN THE BAGGAGE vol.11

記憶に残る時間と洋服。

洋服そのものに魅了されるのもそうですが
選ぶために費やした時間の記憶は
洋服に愛着という価値を与えてくれます。

季節はずれのバレンタインカード。
古着屋や個性豊かなショップが連なる街、ロウワーイーストサイドの
あるショップのウィンドウに飾られていたハンドメイドのカードです。
一見無愛想なショップマネージャーのショーンが
私達とオーダーの話をし終えるタイミングで突然ウィンドウに走り
飾っていたカードを持ってきて紹介してくれました。

フックとひっかけるをかけた I'M HOOKED ON YOU…
I'M STUCK ON YOU… 突きさすという意味のstuck あなたのハートをくぎづけ!
ヴィンテージのパーツにかけたアイディア、かわいらしくないですか?
無表情で画一的な工業製品のようなモノが欲しい気分じゃない。
最近あたたかさを感じるものが良く見えている私達に
気分のモノをカタチにして見せてもらったような感覚をうけました。

体感気温零下18度の極寒の2月のニューヨークで
凍えながらたどり着いた私達に寒さを忘れさせてくれたカード。
他人に干渉はしないけれど、でもおせっかいでどこか人間くさいニューヨーカー
そんないかにもニューヨーカーな彼女が紹介してくれました。
何かを伝えたい気持ちをカタチにして表現することや
教えてあげたいというシンプルな気持ちが改めて素敵だなと思わされ
これからここでオーダーしようとしているモノにも
何かが注入されたかのように感じられました。

大切と感じるモノにはあなただけのストーリーがあります。
皆様がつくって下さった時間、共に何かを感じられるわずかな時間を
モノにまつわるたくさんの物語とともに
記憶に残るような楽しい時間として過ごせますように。

IN THE BAGGAGE vol.10

アメリカの社会には居住エリアに始まり生活のありとあらゆる場面に
クラス (階級) という背景が切り離せません。
デパートにも同様のはっきりしたクラスのすみ分けが存在し
その中でも最も富裕層をカスタマーに持つ老舗デパートがバーグドルフグッドマンです。

実はバーグドルフは私がニューヨークを半年に一回訪れるようになっての
この数年で大きく変貌をとげています。
以前は老舗特有の重厚な雰囲気の最高級品を扱うデパートという印象でしたが
この数年で感度を大きく打ち出すようになったことで顧客層を広げています。
歴史に感度がバランスよく配合させることで
浮ついてない安定と迫力のある最先端のファッションを提案するデパートとして
ステージを変化させていったのです。

週ごとにチェンジされるウィンドウディスプレイは
毎回ニューヨークに訪れる度に必ず気にしてしまう場所の一つですが
服を見せて売るというよりもメッセージ性が強く
ファッションを取り巻く世界を様々な切り口で表現しています。
今回ご紹介しているディスプレイは特に珍しく、ブランドのコレクションの紹介ではなく
「AMERICAN FASHION」という ASSOULINE から刊行されたばかりの書籍との
コラボレーションという斬新なウィンドウ。
アメリカのファッション史をテーマごとにボディに表現しています。
流れという軽いものではなく、歴史という重みを同時に感じるのは
最先端のファッションを打ち出し続けてきた老舗バーグドルフならではでしょう。

単なる老舗から脱却し変化するタイミングが KELLY にもありました。 
8年前にこの場所に移転したことは、それまで15年の歴史を持つ店の大きな転機でした。
老舗という今までの期待や結果に答えながら
変化し裏切っていくことが大変な作業だったのです。
今までやってきたことに自ら疑問を投じていくことが『続く』ということなのでしょう。
これからも変わり続ける KELLY にどうぞご期待ください。

IN THE BAGGAGE vol.9

「…今出ましたね。」
バイイングの仕事に携わるようになって初のエアトラブル発生。
入国審査を待つ列の中で、乗り継ぎの便を見送ることになろうとは。
今回ニューヨークへ向かうエアチケットは
アメリカ国内の経由地で別の便に乗り換えるというもの。
一時間で入国審査とチェックインをして乗り継ぎを行わなくてはならないのですが
9.11以降私達外国人に
さらに厳しくなった入国審査の動かぬ長蛇の列に2時間
入国する前に乗り継ぎの便が出発してしまったのです。

これからどうしよう。
夜6時すぎの今、まだニューヨーク行きの便はあるのか
無ければ空港に野宿なのか
明日の便になるにしても明日のショーに間に合うのか
様々な不安が怒濤のごとく押し寄せます。
探して向かったサポートカウンターも乗れなかった人達の長い列。
早口の英語のやりとりが聞き取りにくいのですが
先のほうに見えるバックパックの青年も、赤いジャケットを着た婦人も
どの人も乗れる便がなくホテルのバス乗場を説明されているようです。

時間の経過とともにどんどん青ざめていく私に対して
落ち着いた様子で順番を待つ、幾度もの旅のトラブルを経験してきた上司。
予期せぬトラブルはしかたないとポジティブに向き合う者と
事実を認められず騒ぐ者の物事のとらえ方の差を見たようでした。

待つこと2時間ようやく私達の番です。

神様ありがとうございます!!!!!
今日最終の JFK 行きに乗れることになったのです。
「とれて良かったですね!ビール飲みにいきましょう。」
乗れることに決まった瞬間の、私の豹変ぶりに上司は腰のぬける思いだったしょう。

旅にトラブルはつきもの。
でも過ぎてしまえばそれが旅の思い出となって残っていくものです。
KELLY での皆様とのやりとりも
意外な提案や出来事が心のアクシデントとなり
印象として残るものとなってもらえたらと思います。

ニューヨーク3日目
今日も順調にアポイントをこなし、次は RAG&BONE のショールームへ。
アポイントの時刻どおりにショールームへ向かいます。
…あれ。ビルのフロア案内に RAG&BONE がない。
「RAG&BONE なら二週間前に引っ越したよ。」と受付に引っ越し先のメモを渡される。
「急いで、タクシーひろえ!」
そうです。旅にトラブルはつきものなのです。


RAG&BONE NEW OFFICE

IN THE BAGGAGE vol.8


at Soho

ニューヨークといえば
地下鉄・バス・タクシーとありとあらゆる交通機関が発達した
とてもコンビニエントな街。
的確に早く目的の場所に着こうと思ったら手段はいくらでもあります。
何年か前プライベートでニューヨークを訪れたとき
ある有名なカフェに、行くことだけが目的になってしまい
有名なシューズブランドのショップが隣にあるにもかかわらず
全く気がつかずにそのエリアをあとにしたという
今も KELLY で度々登場する笑い話の張本人の私ですが
点と点を移動するだけの、ツーリストの動きでは見えなかった
線で繋がった街を「歩く」ことで発見できたのです。


at Chinatown

今回ご紹介している写真は
ソーホーからノリータ、チャイナタウンをぬけて
今話題のバワリーを越え
ロウアーイーストサイドへ向かう街の風景。
今まで通らなかった道を、あえて今回歩いてみることにしました。
東西に走るストリートを真っすぐに歩いた
たった約1キロの距離ですが
ワンブロック進むごとに変化する、街の表情に驚かされます。

華僑のパワーみなぎるチャイナタウン
リトルイタリーを浸食しエリアを拡大し続けています。
あまりきれいとは言えない、危険な空気がまだ残っている街
これもニューヨークの側面の一つです。


at Bowery

ソーホーからノリータにかけて
ショッピングエリアの家賃が高騰していったことで
新しいショップが西へ西へと広がり
バワリーストリートを中心とするエリアが今注目を集めています。
海外ならではの、このシャンデリアショップのような老舗の店が
無くならずに存在し続けていってほしいものです。


at Lower east side

いかにもダウンタウンといった
少し危ない匂いの残っていたロウアーイーストサイド
俳優たちがこぞって訪れるようなスタイリッシュなバーが出来たりと
この半年で急激な変貌をとげ
文化の源は新しいエリアへ広がってきています。
今回歩いたことで街が生き物のように感じられ
民族のエネルギーや文化のエネルギーに応じて
勢力図かのようにエリアが動いていることがよくわかりました。

「歩く」が、シンプルだけど街を再発見出来る手段とは。
わかっていると思ったことを、手段を変えることでまた再発見出来る。
KELLY も皆様にいつも再発見を与えるお店でありたいと思います。

IN THE BAGGAGE vol.7


 
上司に言われるがままに、気乗りせず向かった先は青空マーケット。
日本ではフリーマーケットと呼ばれていますが
正式にはフレアマーケットが正しいそうです。
FLEA MARKET=蚤の市というのを皆さんご存知ですか?

アクセサリーや洋服、食器やおもちゃ
ありとあらゆるジャンルの古いものを売る店がひしめきあい
その多くがそれを生業にしているプロ
羊の頭部などのはく製を売っている店もあり
日本人の目には珍しいものも売られています。

そのフレアマーケットに全く興味のなかった私には
正直、最初はガラクタの山にしか見えませんでした。
それがいつのまにかその世界観に引き込まれ
今ではもう入手出来ないソフィアローレンの写真集を
ディスカウント交渉をして
コミュニケーションを楽しんだり
きれいに糊付けとプレスをされた
積み重なるアンティークの刺繍のハンカチを
必死に一枚一枚気に入ったものを探し出そうとしているのでした。

夢中でハンカチを見ている背後
「Thank you so much!」
誰かがお会計をしている気配
振り返ると、あれっ? 見たことのあるアジア女性
なんとアナ・スイ! でした。
残念ながら何を買っていったのかはわかりませんが
世界の第一線で活躍している
ファッションデザイナーのアンテナが
フレアマーケットに向いているという事に間違いはないでしょう。

有名デパートや、今旬な高感度ショップも
洗練されスケール感もあり楽しいのですが
最近、それらが無機質に感じていた私には
この9月の出張での
フレアマーケットが放つそのディープな空気や
売買の起源を感じさせるアナログ感に
なぜか新しさを感じさせられたのです。
それは間違いなく仕入れに影響されているはず。
来春、どこにそのキーワードが隠されているのか
ぜひ KELLY で掘り出してみて下さい!

IN THE BAGGAGE vol.6

ニューヨークの『ノリータ』にある A-DETACHER のショップ
店内はまるでモニカのプライベートルームを訪れたようです。
日本のファッション誌にまでも自宅を紹介されたことがある
そのセンスは折紙つき
ショップもモニカの美意識が凝縮された空間となっています。
洋服と一緒に置かれた、飾り物のような商品のような
売り物の匂いのない品々
素敵!と思って尋ねた、何気なくショーケースに入っている指輪が
$30,000のジュエリーだったり
日本のお茶箱が飾られていたりと
モニカの感じたものが、乱れですら計算をしたかのように
完璧なバランスでディスプレイされています。

毎回、少しずつ店内が変わっているので
オーダーのために訪れるのが
密かな私の楽しみの一つとなっています。
モニカの奥に見える壁も
スタッフ全員で木目の壁に
ミラータイルをこつこつ貼っていったのだそうです。

セレブが住み、かつて倉庫だった場所が再開発され
ギャラリーや今話題のレストランに次々と生まれ変わっている
ニューヨークで最も高感度なエリア『トライベッカ』に
一年前オープンしたNILI LOTANのショップです。
洋服のファクトリーに使われるようなハンガーラックに
スタイルフォトを下げたり
床を部分的にガラス張りにし
地下の工房をわざと見せるようにつくられた店内は 
デザイナーであるニリロタンの、ものづくりへの姿勢を
そのまま表しているようです。
ハイファッションを表現しながら、ファクトリーの風情を漂わす
話題のブランドという側面と、強固な思いを感じさせます。

皆様に店頭でご覧頂いている洋服は
『KELLY』を表現をする為に
コレクションから厳選し、思いを込めて集められました。
ブランドにはまた別な顔があり
そのブランドの思いが凝縮された空間が存在します。
ニューヨークを訪れた際には
KELLY ゆかりのショップツアーも面白いかもしれません。

IN THE BAGGAGE vol.5

女性らしさの表現はこの秋、劇的に変化します!
強さとかたさ、そこに垣間見える女性らしさ
ベーシックな洋服をドラマティックに演出する楽しさ
コーディネイトから生まれる、発見や意外性を
KELLY は今まで以上にお伝えしていこうと考えています。

KELLY ニューヨーク支部 挌闘中です。
半年前の2月、ミッドタウンのホテルの一室で
秋冬の仕入れの構想がかたちとなりました。
かたまった価値観を打ちくだきにニューヨークへ
発注という目的の旅ですが
半年に一回、徐々に覆われてきていたものを
クリアにするための旅でもあります。
日本でいろいろなプロセスを経てしっかり準備して
来シーズンの KELLY はこれでいこう! と思って向かっても
毎回、予測がつかなかった新鮮な感動がニューヨークで待っているのです。
その感動を KELLY で皆様に味わって頂きたいと思っています。

IN THE BAGGAGE vol.4

めまぐるしく行われるバイイング
息をついて見渡すと、ニューヨークの様々な表情が見えてきます。

ショールームに向かう為の移動は、主に地下鉄を利用しています。
ご盤の目の道路で構成されるマンハッタンの
南北にはしる『アヴェニュー』にならった線を核として地下鉄は構成され
ニューヨーカーの生活に欠かせない機関となっています。
東西に渡る『ストリート』ごとの駅一つ一つに
異なったデザインで描かれた壁絵は
まるで、地下鉄という無機質な空間に生まれた体温のようです。
ニューヨークの地下鉄というと
良いイメージをもっている方は少ないと思いますが
こんな思わず微笑んでしまう、チャーミングな顔を持っています。

ミュージシャンや学生達が住み
古着などの個性的な店が立ち並ぶグリニッジヴィレッジには
風情あるクリーニング店が多くみられます。
歴代のアイロンが飾られたウィンドウ
古い街並みや歴史を大切にしているなかで
新しいものを生みだしていく息吹とのコントラストが感じられます。

何でも簡単に手に入る日本から来た者にしてみれば
マンハッタンは大都会ながら、多少の不便を感じる場所
でも、自然があり、歴史があり、温度がある。
便利ということで失われた、本来の人間らしさを考えさせられる街なのです。

IN THE BAGGAGE vol.3

今ニューヨークでは何がトレンド?
ファッションに関心のあるかたなら、海外の情報は気になりますよね。
仕事かつミーハーごころから、ニューヨークにバイイングで訪れた際
毎回しつこくいろいろな方にたずねています。 
皆自分のスタイルを持っているので、大抵の場合答えに困られます。
日本は平均的にだれもがトレンドに敏感、ファッショナブル
ニューヨーカーは、自分のキャラクターをどう演出するかをとても大事にしています。
かといって、トレンドに関心がないのではなく
個性をベースに、トレンドを重ねるのでオリジナリティを失わない。
今流れている時代感に、着方がフィットさえしていればいいのです。

そのかわり人種やクラス感、テイストを越えて広がったときの
トレンドはとてもパワフルです。
去年の9月ニューヨークに行った際、某有名ブランドのバッグが大流行中でした。
本物もよく見かけるけれど、コピーバッグが街角の屋台で大量に売られていたのです。
コピーは認めてはいけないことだけれど、ファッションピープルもそうでないひとも
夢中にさせるデザインの存在はすごいことだと思いませんか?
ちなみに今年の2月には、あからさまに屋台にコピーバッグは一つもありませんでしたが。

KELLY のスタイルを、ニューヨークに重ねるのは
オリジナルなスタイルを持ちながら、トレンドも柔軟に取り入れてしまう
女性がすてきにみえるから。
いつも多彩な女性の魅力を表現できるお店でありたいと思っています。

IN THE BAGGAGE vol.2

十数時間におよぶ空の旅が終わり 空港に到着
タクシーに乗り込みホテルへと向かいます。

高低のる高速道路の傾斜を上がると
突然、目に飛びこんでくるマンハッタンのビル群
ホテルへ向かうこの数十分間に展開される光景は
いつもながら、着いた実感と高揚感を与えてくれます。

2月のこの時期、ニューヨークはマイナス0度を越える日も多く
一年で一番の寒さをむかえます。
ショーへ向かう私達に、日が射しこむホテルのドアを開けた瞬間
さすような寒さが待っていました。

滞在中にショーを見れるのは、2日間
新しいブランドを現地で見つける事が出来る限られた時間です。

ニューヨークコレクションが同時期に行われる
このファッションウィークをめがけ
デザイナー バイヤー エディターなど
ファッションにたずさわる人々が世界中から集まります。
この温度の中で生まれるものを逃さないように
見渡しきれないほどの大規模スペースを
ひとブランドひとブランド、神経を張り巡らせチェックします。

かつて初めてバイイングに訪れた日、
新しいと思えばすべてが新しい、1000を越えるブランド数に圧倒され
ショーを歩いても歩いても、何を根拠に選べばいいのか
初めての大きな責任に焦りを感じ、ただ時間が過ぎていくばかり。

追いつめられ、ようやく気がつきました。
私の仕事は新しいものをただ買ってくるのではない
つくりだすことだったのです。
恥かしいことに、勝手に新しいものが目に飛び込んでくると
思い込んでいたのでした。

翌日、同じショーに出掛けた私に
ようやくピックアップ出来るものが見つかりました。

マンハッタンに向かうタクシーから見えるビルの夜景
ピックアップ出来ないもどかしさを感じた初めてのショーでの苦い思い

どちらも忘れられない私のニューヨークなのです。

IN THE BAGGAGE vol.1

「世界中から、この街で暮らしたい!という人々がやってきているんですよ」
ニューヨークでファッションの仕事をされているある方の言葉です。

さまざまなルーツをもつ人々が夢を抱き生活する、エネルギー溢れる街
日々新しいものが産声を上げ、存在を認められたものが残っていく街
私達は、そんな街から生まれるときめきを求めて
バイイングの旅に出掛けます。

実は、デザイナー自身がセールスするブランドが KELLY には多く
気さくな彼らはこころよく写真のモデルまで引き受けてくれます。
さすがに自らつくりだした作品、
私達に最高の着こなしを教えてくれるのです。

あなたに興味がありますよ、という嬉しいスタンスで迎えてくれる
人なつっこくおしゃべりが大好きなニューヨーカー。 
モノでのつながりだけではない
コミュニケーションから生まれた、目では見えない何かを
KELLY でお伝え出来たら、と思っています。

半年前に思い描いていた春物が、ようやくかたちになろうとしている今
「来シーズンの KELLY」に奮闘の日々
少し早いのですが、秋物もご期待ください!

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