a food chain vol.2

カリフォルニア文化発祥の地ともいわれる港町、モントレー。
古くてこぢんまりとした素朴な街並が魅力です。
そんな歴史ある町で、今回僕らが夕食をとった「Bubba Gump Shrimp」。

アカデミー賞受賞映画『フォレスト・ガンプ』では、
トム・ハンクス扮する主人公フォレストがエビ漁業で大成功します。
もしもそんな彼がレストランをオープンさせたら・・・
そんなコンセプトで人気のシーフードレストランです。

店内外は、思わずカメラを向けずにはいられないディスプレイがなされ、
その空間にみあったスタッフのフレンドリーなサービスは、
まさに映画を見るような楽しさです。

以前紹介したWOLFGANG もそうでしたが、
アメリカでの食事の醍醐味は、味そのものだけでなく、
空間演出やサービスまでが含まれてのもの。
そしてお店の種類があればあるだけ様々な種類のサービスがあり、
サービスを受ける側も、気分や予算によって自由な選択ができる。
均一化・マニュアル化された日本のサービスとの違いを
この旅のあいだ、幾度となく体験することになりました。

避暑地を連想させるカーメルの街並。
海岸から丘にかけて広がる街には落ち着いたムードの建築が続き、
窓辺には季節の花々が飾られています。
カーメルは映画俳優のクリント・イーストウッドが市長を務めていたことでも
知られています。映画俳優、監督としても名高く、さらに政治活動への参加も
積極的であった彼の「飽く無き探究心」が市民からの支持を得て、
今もなおアメリカを代表する人物の一人です。

澄んだ空気に居心地の良さを感じながら、
僕たちが朝食に選んだお店は、「Katy’s Place」。
お店に入ると、二人の女性が僕らを迎えてくれました。
お店の名前から、オーナーのケイティーかな、と
注文した料理を待っていると、さっきの女性たちが僕らのほど近いテーブルで
食事をし始めたのです。

日本では「営業中、従業員がお客様の前で食事をとる」という光景を
ほぼ見かけることはありません。
ですからこの光景にはちょっと驚いてしまいました。
習慣の違いと言えばそれまでなのですが、その光景を眺めているにつれ、
アメリカにいることで体感するイージーさやフレンドリーさが、
なんとなくではありますが理解できるような気がしたのです。

アメリカ最大級のチャイナタウンがサンフランシスコにはあります。
市内で一番にぎやかなユニオンスクエアや、金融の中心であるオフィス街の中、
路地を一本入るといきなり漢字だらけの街並みに変化します。
全く別の世界が広がっていました。

現地での最後の夕食をとりながら今回の旅を振り返ってみました。
僕自身はこれが初めての海外だったので、
頭を空っぽにしてこの旅に臨んだのですが、
今では写真やムービーには収まりきらなかったものが、
頭の中にぎっしりと刻まれています。

そして、サービスやホスピタリティの在り方や文化の違いは、
今回ともに旅したスタッフ全員が実感したことです。
同じ目的と価値観をシェアーする仲間たちと、より良いお店を作りたい。
新しい発見や感動を、お客様と分かち合いたい。
この旅で得た感動や体験を、これから大きな財産に変えていきたい。
日本に戻った今、そう思わずにはいられない毎日です。

店頭には秋物も入荷し、それを通してお伝えしたいエピソードもたくさんあります。
新しい発見と体験を、ぜひ楽しんでください。

a food chain vol.1

今回は、Harvest of the tripに引き続き、旅の醍醐味でもある
「食」にまつわるエピソードを二回にわたりご紹介します。

この旅行中「食べること」は、僕のなかで大きな目的のひとつでした。
食べたことのないものを口にするということ、洋服に置き換えるなら、
着たことのないアイテムやスタイルにどんどんチャレンジしたい!
そんな思いがきっかけです。

僕らの世代にとって、新たなものや考えを受け入れるという行為は、
単純なことのようで難しい、と思うことがあります。

食べ物に対しての興味はあったものの、
「食文化」についてはまったく無知だった僕が、
アメリカでの食事を通して現地のライフスタイルを身近に感じることができ、
さらなる探究心が生まれてきました。

旅の第一日目、記念すべきディナーは"WOLFGANG STAKEHOUSE"。
ここはエースミスのバイヤーが渡米した際必ず訪れるレストランで、
日本のそれとは違う迫力あるステーキの話を聞いており、
ぜひ一度行ってみたいな、と想像を膨らませていたスポットです。
今回の旅のルートにあることを知り、直ぐさまアポイントを入れました。

興奮と好奇心を押さえきれずに向かったお店で待ち受けていたのは、
落ち着いたインテリアの洗練された佇まいです。

これまでにこんな大人っぽいレストランに入ったことがなく、
少し緊張しましたが、店内に一歩踏み込んだ瞬間、
あまりの熱気に驚き、圧倒されました。

いざ料理が出てくると、さらにそんな緊張を忘れるぐらいの
肉の迫力に、皆笑うしかありません。
ひとくち食べてみると、「おいしい!」「食べたことないなあ」一同大満足です。
調理されたものを食べるという感覚ではなく、肉そのものを食べているという感覚、
肉本来のうまみを味わう、という楽しみを知りました。

また、このレストランではちょっとしたハプニングもありました。
ハプニング(マイナス)をプラスに演出するサービス=「本物のサービス」を
目の当たりにし、ちょっと衝撃を受けました。

まるで映画のワンシーンを見ているようなスマートさで
サービスにあたるスタッフのプロ意識。
思わず目で追ってしまいます。
僕たちが日本に戻り、やれることはまだまだあるなと痛感した出来事です。

カリフォルニアの空の下、爽快感と開放感のあるオープンエアでの朝食。
朝早くにも関わらず子供連れのファミリー・老夫婦が食事を楽しんでいます。

日本にはない、朝食にゆっくり時間をかけるといった風習。
また、「エッグベネディクト」という、アメリカではポピュラーでも
日本では普及していない卵料理の味わい。
ここで感じた食文化の違いはこのふたつです。
自分が現地で生活をしているかのような、ゆったりとした時間の流れを味わい、
ひとつの価値観を認識することができたように思います。

"WOLFGANG STAKEHOUSE"での「肉」、
"TOAST BAKERY CAFÉ"での「エッグベネディクト」。
未知なものを味わい、空間やムードまで含めた「食べること」の充実感。
贅沢な時間の使い方を実感できました。

L.Aの中心地から車を少し走らせると、
数分前に見ていた光景とは異なるものが目に飛び込んできました。
ハングル文字で書かれた建物の数々「コリアンタウン」。
アメリカでのヘビーな食事が続いた中、
「スンドゥブ」の素朴な味が妙に胃袋にしみました。
このとき初めて、現地で日本食の味が恋しくなりました。

今では一瞬一瞬の出来事がどれも懐かしく、忘れられない思い出です。
帰国後今度はアメリカでの数日を懐かしく思い出し、
ジャンクな食生活の日々が(なぜか)続きました!

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